ENRICH(エンリッチ)

The Style Concierge

コロナ禍におけるクレジットカード業界の最新動向 3/3

ポイ探の菊地崇仁氏が、エンリッチ読者のライフスタイルにマッチするクレジットカード、あるいはポイントサービスの付加価値を見出す本連載。今月最後は、いまだからしておきたい、クレジットカードの見直しについて取り上げよう。(1/3から読む)ーーー

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あまり使わないカードや
上手な持ち方を考えるチャンス

新型コロナウイルスの影響でクレジットカードを使う機会が減少したことにより、自身のライフスタイルに必要・不必要なカードを再確認した方もいるのではないでしょうか。いまは、クレジットカードを見直す絶好の機会なのかもしれません。「コストパフォーマンス」「優待の内容」「決済や優待の利用頻度」「生活シーンに合っているのか」など、いくつかの視点で絞り込み、取捨選択すると良いと思います。

具体的には、どういったことができるでしょうか。たとえば、ダイナースクラブカードには、ビジネスオーナーや会社役員、個人事業主などが対象の、ダイナースクラブ ビジネスカードが存在します。これは、社用経費の決済ができポイントがたまり、ビジネスに役立つ独自のサービスを取りそろえた、年会費2万7000円のカードです。

ただし、同カードでは、通常のダイナースクラブに、法人カードの経費精算用のビジネス・アカウントカードを追加することもできます。費用は年間2000円なので、一般カード(年会費2万2000円)と併せても法人カードよりコスト負担は軽くなるわけです。

ビジネス・アカウントカードでは個人カードと別の支払い口座の設定ができつつ、決済でたまったポイントは個人カードのポイントと合算して利用することができます。経費と個人利用が分離するので会計処理がしやすくなりながら、ポイントは分散しません。ETCカードもビジネス・アカウントカードで発行できるので、社用車と自家用車で高速代をわけることもできます。法人向け出張サポートの「JALオンライン」の利用、ダイヤモンド経営者倶楽部が運営する会員制ラウンジ「銀座ラウンジ」の利用も問題ありません。

ビジネスカードとビジネス・アカウントカードの違いは年会費のほか、前者は社員向けの追加カードを無料で発行できますが、後者は追加カードを発行できません。よって、追加カードが必要なら法人カードを持つ方が良いですが、法人代表者だけが必要とするなら、個人用のダイナースクラブカード+ビジネス・アカウントカードで構いません。

なお、こういったカードの持ち方ですが、アメリカン・エキスプレスは対応していません。基本的には個人カードとビジネスカードの両方を持つとことになります。一方、楽天プレミアムカード(年会費1万円)は子カードとして楽天ビジネスカード(年会費2000円)をセットで利用することができます。

これまでも申し上げてきましたが、結局のところ、クレジットカードはメインで使うものを集約する方はコスト削減につながり、ポイントも効率的にたまります。プレミアム系クレジットカードの場合、付帯特典が重複するケースも目立ちます。無駄なくスマートな持ち方、組み合わせ方を、考えてはいかがでしょうか。機会を設け、私からも提案していきたいと思います。

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菊地 崇仁 (きくち たかひと)

株式会社ポイ探 代表取締役。大学卒業後、日本電信電話株式会社(現NTT東日本)入社。システム開発に携わる。2002年の同社を退社後、友人と共に起業。ポイント交換案内サービス・ポイ探の開発に携わり、2011年代表取締役に就任。現在All About、カカクコム、ECZine、日経トレンディネットへ記事を提供する他、テレビ・雑誌でも活躍中。著書に「新かんたんポイント&カード生活 (自由国民社)」、「できるAmazonスタート→活用 完全ガイド(インプレス)」他。

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