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プレミアム系クレジットカードの新サービス 2/3

ポイ探の菊地崇仁氏が、エンリッチ読者のライフスタイルにマッチするクレジットカード、あるいはポイントサービスの付加価値を見出す本連載。今回は、ダイナースクラブがホルダー向けに始めた新サービスを取り上げる。(1/3から読む)−−− 

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ポイントの使いやすさが向上する
複数の新規サービスを開始

共通ポイントを付与したり、幅広いシーンで使えるようにするなど、近年はポイントの利便性向上に取り組むカード各社。そのトレンドは、プレミアム系クレジットカードにも波及し始めています。ここでは、ダイナースクラブカードが4月16日から始めたふたつ事例を紹介しましょう。

ひとつが、ダイナースクラブ ビジネスカードと対象カードとのダイナースクラブ リワードプログラムのポイント合算です。

対象となるのは、ダイナースクラブ プレミアムカードとダイナースクラブカードです。ダイナースクラブ ビジネスカードの本会員が電話で依頼すると、これらカードのポイントと合算して使うことができます。ただし、ポイントの合算を受け付けるのは商品交換時のみで、対象カードのポイントをビジネスカードのポイントに合算することはできません。

ダイナースクラブでは、個人カードと別に取得する年会費2万9700円の「ダイナースクラブ ビジネスカード」と、年間2200円で個人カードに追加でき、ビジネス経費などの管理に役立てる「ビジネス・アカウントカード(経費決済専用カード)」の、2種類の事業者向けカードがあります。

前者の場合は会計ソフトや加盟店の優待、サロンの利用など、ビジネス向けのサービスが充実していて、従業員向けに追加カードを無料で発行できるのが特徴です。従業員がいるビジネスオーナーや会社役員に向いていて、個人カードも持っているなら合算サービスは役に立つでしょう。他方、個人事業主などスモールビジネスで従業員がいないなら、個人カードにビジネス・アカウントを紐づけるだけで充分です。その場合は、ポイントの分散がありません。

なお、アメリカン・エキスプレスは同様のサービスを先行していて、ポイントプログラムの「メンバーシップ・リワード」が対象のカードを複数持っている場合、カード名義が同一であれば、カード裏面に記載のコールセンターに連絡すると、ポイントを合算することができます。プロパーの個人カード、ビジネスカードが含まれるので、ホルダーの方はうまく活用しましょう。

もうひとつは、「エグゼクティブ ダイニング」でのポイント利用です。

エグゼクティブ ダイニングは、対象レストランの所定コースを2名以上で利用すると、1名分、もしくは2名分の料金が無料になるサービスです。プラチナクラスのクレジットカードではお馴染みの特典ですが、4月16日からはダイナースクラブ リワードポイント1万ポイントを5000円分としてキャッシュバックできるようになりました。

具体的には、エグゼクティブ ダイニングでレストランを予約し、食事当日はダイナースクラブカードで支払い。後日、利用代金明細でエグゼクティブ ダイニングの請求を確認したら、コールセンターに「エグゼクティブ ダイニング ポイント利用プログラム」を利用する旨を伝えるという流れです。手持ち無沙汰なポイントがあるなら、食事の際にぜひ使いたいものです。

ダイナースクラブカードはグルメ系の優待が充実していて、ひとりで食事を楽しんだりテイクアウトができる店舗を検索・予約できる「ごほうび予約」や、予約が取れない人気店の空席情報を案内する「ごひいき予約.com」、予約の取りづらい店舗の席を会員に提供する「Wishダイニング」など、さまざまなプランを用意しています。いまはともかく、状況が落ち着けば利用したいと思うようなサービスです。

−−−ビジネスカードと個人カードのポイント合算は、ホルダーにとって朗報。食事でも使えるようになると、ポイントの利便性も高まるだろう。次回も引き続き、新サービスを紹介する。

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菊地 崇仁 (きくち たかひと)

株式会社ポイ探 代表取締役。大学卒業後、日本電信電話株式会社(現NTT東日本)入社。システム開発に携わる。2002年の同社を退社後、友人と共に起業。ポイント交換案内サービス・ポイ探の開発に携わり、2011年代表取締役に就任。現在All About、カカクコム、ECZine、日経トレンディネットへ記事を提供する他、テレビ・雑誌でも活躍中。著書に「新かんたんポイント&カード生活 (自由国民社)」、「できるAmazonスタート→活用 完全ガイド(インプレス)」他。

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