ポイ探の菊地崇仁氏が、エンリッチ読者のライフスタイルにマッチするクレジットカード、あるいはポイントサービスの付加価値を見出す本連載。今月は百貨店のアプリやポイントについての最新情報をお届けする。−−−
エンリッチ読者の皆さま、ポイ探の菊地です。前回は「KURADASHI Clubエムアイカード」や「UCプラチナカード(UC Platinum)」といった、新たに発行が始まったクレジットカードを中心に取り上げました。前者はフードロス削減を掲げる社会貢献型のショッピングサイトと提携したもの。こういった問題に敏感な顧客が多い三越伊勢丹系のエムアイカードが扱うというのは、納得がいきます。片や後者は年会費1万6500円のリーズナブルなプラチナカード。しかしながら基本的な特典は抑えていて、スマホなどの通信機器のトラブルに対応する「通信端末修理保険」が自動付帯するという、優れもの。若い世代を意識したカードだとわかりました。今後も、こういった個性的なカードが登場すれば、取り上げたいと思います。
百貨店のアプリが大きく進化
三越伊勢丹は手厚いサービスを提供
前回、三越伊勢丹のポイントである「エムアイポイント」の新サービスについて、軽く触れました。これまで、同ポイントはエムアイカードを持っていないとためる・使うことはできませんでしたが、今春から「三越伊勢丹WEB会員」に登録すると、店頭でもオンラインでも買い物のたびにエムアイポイントが200円ごとに1ポイントたまるように。たまったポイントは1ポイント=1円として使うことができます。また、オンラインでたまったポイントは「三越伊勢丹アプリ」を使うことにより三越伊勢丹各店でも使うことができ、アプリを使いたまったポイントはオンラインストアでも使うことができます。これまでは、エムアイカード会員向けの閉じたポイントプログラムだったのがオープン化したことで、新たな顧客を開拓するのが狙いでしょう。
三越伊勢丹アプリではほかにも、気になる店舗の最新情報やイベント情報がチェックできたり、ショッピング機能も搭載。スタイリストへ買い物の相談や接客の予約もできます。店頭のショップやイベントなどで使うことができる期間限定のクーポンも配布していて、エムアイカードと連携することで「三越伊勢丹・カスタマープログラム」に参加することも可能です。これは、ステージごとに「スペシャルクーポン」「ラウンジ利用」などのサービスを提供するもので、ステージ自体は入会月の6日から翌年入会月5日まで、1年間における三越伊勢丹グループでの買い物金額に応じて決まります。詳細は次の通りです。
プラチナ ステージ:年間300万円以上
ゴールド ステージ:年間100万円以上
シルバー ステージ:年間30万円以上
ホワイト ステージ:年間30万円未満
提供されるサービスは、日本橋三越本店・本館5階と伊勢丹新宿店・本館7階にある「ザ・ラウンジ」やグループ各店のサロン&ラウンジの利用、他にも駐車料金無料サービス、買い物をサポートする「ストアアテンド」、飲食や写真室、ゴルフレッスン、エステなどの使うことができるクーポンを進呈する「ファミリータイズサービス」、おまとめ配送サービス、バレーパーキングサービスなど。プラチナ ステージの会員はすべてのサービスを使うことができ、ゴールドは一部利用が可能、シルバーとホワイトは対象外です(一部利用制限があるサービスあり)。ラウンジ利用やストアアテンドといえば、上得意の外商顧客のみに提供するサービスですから、その対象を広げたのは画期的です。
三越伊勢丹ではさらに、リモートショッピングアプリも始めています。これは、専用のアプリをダウンロードすれば、アプリ上でチャットやビデオ動画による接客を受けることができ、欲しいと思った商品はそのまま専用のカートに入れることができるというもの。接客は予約ができるので、自分のスケジュールに合わせて買い物を楽しむことができます。現状、リモート接客の店舗は伊勢丹新宿店や三越日本橋本店、銀座三越、伊勢丹立川店が対象ですが、今後は拡大する予定です。ニューノーマルにマッチしたサービスといえます。
−−−ますます便利になる百貨店のアプリ。次回も引き続き、新たな取り組みを取り上げよう。