ポイ探の菊地崇仁氏が、エンリッチ読者のライフスタイルにマッチするクレジットカード、あるいはポイントサービスの付加価値を見出す本連載。今月最後は百貨店の外商カードについて取り上げる。(1/3から読む)−−−
外商顧客向けの外商カードは
生活の質を引き上げる1枚
百貨店には、年間一定以上の高額な買い物をする上顧客に対して、専属の担当者が店内のショッピングをアテントしたり、必要に応じて自宅などに品物を届ける、特別なイベントに招待するなどの「外商サービス」を提供しているのは、ご存じの通り。現在は会員証を兼ねたクレジットカードを提供するのが一般的です。外商顧客は百貨店の売上の大半を握っているので、各社が会員増に力を入れている分野で、例えば大丸松坂屋百貨店は今年1月に外商カードの「大丸松坂屋お得意様ゴールドカード」の機能・特典を大幅にリニューアルしています。具体的なスペック・得点は次の通りです。
■大丸松坂屋お得意様ゴールドカード
年会費:本会員/1万1000円 家族会員/1100円
国際ブランド:Visa
・大丸・松坂屋の買い物で最大10%オフ
・大丸・松坂屋、国内外Visa加盟店でのカード利用でQIRA(キラ)ポイント付与
・専用コンシェルジュサービス
・店頭アテンドサービス
・お得意様限定イベント
・お得意様専用ラウンジ
・プレミアムサイト「コネスリーニュ」の利用
・駐車場無料
大丸・松坂屋での買い物が最大10%オフになるのはかなりインパクトがあります。さらに、ほしい商品の入荷状況を知りたかったり、プレゼントや記念品などの相談などは、専用のコンシェルジュが対応します。経験豊富なスタッフだと、冠婚葬祭のしきたりや式典の服装の相談にも乗ってくれるといいます。店舗に行く時間がないなら電話などで注文をすれば決済・配送はお任せで、店舗に行く時間がいないなら、自宅で商品を選ぶことも可能です。こういったサービスをリーズナブルな年会費で受けられますから、外商カードの付加価値の高さは相当高いといえます。
高島屋の外商カード「タカシマヤカード《プレミアム》」の場合、基本的なサービスは「タカシマヤカード《ゴールド》」と同等で、年会費は初年度無料、2年目以降は1万1000円です。国際ブランドはVisa、Mastercard、JCB、American Expressから選ぶことができ、国内線の空港ラウンジを利用することができます。
同カードがユニークなのは、ポイントか割引かを選択できる点です。年間の利用額に応じて、ポイントタイプなら8~10%のポイントを還元、割引タイプなら5~10%がオフになります。年間利用額によるボーナスポイント、高島屋で年間100万円以上を利用すると次年度の年会費が無料になるサービスもあります。
他の外商カードと同じく、専用スタッフによるストアアテンド、お中元やお歳暮といった簡単な手配に対応するコンシェルジュサービスも用意されていて、駐車場の優遇、メンバーズサロンを利用することもできます。さらに同カードの場合は、生鮮品など一部は対象外になりますが、自宅無料配送サービスを実施しているのが特徴。家具や家電など大型の商品にも対応するので、これは便利です。
クレジットカードの付加価値を追い求めると、ついついプラチナカードを思い浮かべますが、外商カードのスペックは決して引けを取りません。むしろ、ビジネスやプライベートでショッピングをする機会が多い人ほど、重宝するでしょう。