ポイ探の菊地崇仁氏が、エンリッチ読者のライフスタイルにマッチするクレジットカード、あるいはポイントサービスの付加価値を見出す本連載。今月はユニークな特典を提供するクレジットカードや積立サービスを取り上げる。−−−
エンリッチ読者の皆さま、ポイ探の菊地です。前回は、三井住友カードが国内初で始めた「選べる無料保険」について触れました。これは、会員のライフスタイルに合わせて保険プランを切り替えられるというもの。デフォルトで設定されている海外・国内旅行傷害保険のほか、個人賠償責任保険、交通事故限定の入院保険、携行品損害保険から選択できるという内容でした。あまり旅行に出かけない、他のカードで旅行傷害保険はカバーしている人にとって、有意義なサービスと言えるでしょう。さらに、サブスクサービスの支払いを1枚のカードに集約することでインセンティブを付与する「定期払いチャンス」や、プレミアム系クレジットカードの宅配向けグルメサービスも紹介しました。ライフスタイルが多様化したいま、クレジットカードに求められる特典も広がっています。今後も、こういった情報をお届けしたいと思います。
コンビニ2社で最大5.5%還元
日常生活で付加価値を発揮
ここ数年、日常生活に身近なコンビニで使うとお得なクレジットカードが増えています。例えば、「三井住友カード(NL)」は、セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソンでタッチ決済を使うと、最大5%のポイントを還元。家族ポイントのサービスを利用すれば、最大10%にまで上昇するサービスを始めています。
同じようなサービスを始めたのが、三菱UFJニコスの「三菱UFJカード」です。なんと、今年7月から全国のセブン-イレブンとローソンで最大5.5%相当のポイントを還元し、期間限定で最大10%のポイント還元キャンペーンを実施しています。通常の還元率は0.5%ですから、5%を上乗せた格好です。
ただし注意したいのは、ポイント付与の対象になる金額は1000円ごとで、かつセブン-イレブンとローソンの利用は別々にカウントされるという点。例えばある月、セブン-イレブンで900円の決済をしたとしても、ポイント付与の対象になりません。同じ月にローソンで5100円を使ったとしても、ポイントが付くのはローソンの利用分に対してだけ。合算した6000円に対してポイントはつかないのです。しかし、各チェーンの利用分は月ごとに積み上がっていくので、500円、300円、200円と1回の買い物は少額だとしても、1か月の合計が1000円以上になれば、1000円ごとにポイントは付与されます。他のサービスがタッチ決済を還元率アップの条件にしているのに対して、三菱UFJカードは、どういった決済手段を使って付与の対象になるのも、大きな違いでしょう。コンビニの利用が多い人にとって、利便性の高いサービスかもしれません。
そもそも、コンビニは現金から電子マネー、スマホ決済など、あらゆる決済手段に対応していて、クレジットカードも含まれます。ところが、多くの消費者は少額決済=電子マネー・スマホ決済、高額決済=クレジットカードというイメージがあるようです。クレジットカード会社としては、日常シーンでの使用を増やすべく、こういったサービスを強化しているのかもしれません。
−−−コンビニを普段使いする人にとって、ポイント還元率が優遇されるクレジットカードは、持っておいて損はない。コンビに限らず、日常で頻繁に足を運ぶ場所でお得になるカードはたくさんあり、カード選びの基準にしてもいいだろう。次回は、投資を組み合わせたサービスを提供するクレジットカードを取り上げる。