ポイ探の菊地崇仁氏が、エンリッチ読者のライフスタイルにマッチするクレジットカード、あるいはポイントサービスの付加価値を見出す本連載。今回は2024年以降に新規発行が始まったプレミアム系クレジットカードの話題やJR東日本が始めた「JRE BANK」などについて取り上げる。−−−
エンリッチ読者の皆さま、ポイ探の菊地です。前回は、「ラグジュアリーカード」やJCBが「ザ・クラス」と「プラチナ」会員に対して始めた新たなコンシェルジュサービスについて解説しました。従来のサービスは利用時間や利用シーンが限られていましたが、チャットやアプリを使うことで時間・場所を気にせずコンシェルジュサービスにアクセスできるので、ユーザーにとって非常に有益です。DXの流れもあり、こうした取り組みはさらに広がるでしょうから、読者にフィットする情報があれば、改めて紹介します。
新たなプレミアム系クレジットカードが登場
今回は、新たに登場したプレミアム系クレジットカードをいくつかピックアップします。
ひとつは、アメリカン・エキスプレス(アメックス)による「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・プリファード・カード」(以下、ゴールド・プリファード)です。アメックスではすでに「ゴールド・カード」を発行していますが、前者の年会費は3万9600円と、旧ゴールド・カードの年会費3万1900円より7700円も上がっています。また、旧ゴールド・カードの会員はそのままの年会費で継続できますが、新規の受付は停止されることに。これから申し込む場合は、ゴールド・プリファードが対象となります。なぜ、こういった二重の年会費が生まれたかというと、アメックスは2023年にプラチナ・カードの年会費を既存・新規に関わらず一斉に2万2000円引き上げており、想定以上に退会者がいたのかもしれません。今回はそうならないよう、既存会員に影響を与えないようにしたと考えています。ただし、旧ゴールド・カード会員であっても希望すればゴールド・プリファードに切り替えられます。
ゴールド・プリファードは旧ゴールド・カードの特典をほぼ踏襲していることに加え、年間200万円以上のカード利用者に対する継続特典として、「フリー・ステイ・ギフト」を進呈します。これは、東京マリオットホテル、シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテルなど国内40か所以上のホテルを対象とした1泊2名分のホテル宿泊券で、これだけでも年会費引き上げ分の価値はあります。
もうひとつも継続特典で、カード会員専用の旅行予約サイト「アメリカン・エキスプレス・トラベルオンライン」経由で予約をすると、1万円のトラベルクレジットが受け取れます。他にもレストランを予約すると20%がキャッシュバックされる「ポケットコンシェルジュダイニング」(年間最大1万円)、スターバックスカードへのオンライン入金の20%キャッシュバック(年間最大5000円)などもあり、特典は非常に充実しています。
マイルの交換レートがアップしたりポイントの有効期限が無期限になる「メンバーシップ・リワード・プラス」が自動附帯になったこともポイントです。他のカードでは別途で追加登録する必要があり、旧ゴールド・カードの場合は年間3300円かかります。対してゴールド・プリファードは無料かつエントリーも不要なので、ここも評価できる点です。アマゾンやヤフーショッピング、ヨドバシカメラなど特定の加盟国ではポイントが3倍になるといったサービスも用意されています。
総括すると、ゴールド・プリファードは年間200万円以上の利用をする人にとっては、付加価値の高いクレジットカードです。また、キャッシュバック系の特典が多く、メンバーシップ・リワード・プラスもカードを使ってこそ真価を発揮するというもの。「持つだけではなく活用して欲しい」というメッセージが込められています。サービス内容は従来のゴールド以上、プラチナ未満なので、コストパフォーマンス的にもバランスが取れています。なお、アメックス・プラチナやラグジュアリーカード、ダイナースクラブの一部カードと同じくメタルカードなので、ステイタスを感じさせてくれるという一面もあるでしょう。
−−−アメックスが提供を始めたゴールド・プリファード。特典内容は申し分なく、プレミアム系クレジットカードを手軽に持ちたい層に刺さるかもしれない。次回も引き続き、新カードについて解説しよう。