資産デザイン研究所代表の内藤忍氏が、各界のプロフェッショナルと投資談議に花を咲かせる、この企画。今回は、内藤氏が資産運用の人脈作りの場として銀座にオープンした隠れ家バー「Shinoby`s Bar 銀座」に株式会社お金のデザインの廣瀬朋由社長をお招きして、同社の運用商品「ETFラップ®」をテーマに対談を行っている。
なぜ、ETFなのか?
内藤 お金のデザインさんは、顧客の資産運用を一手に引き受ける個人向け投資一任会社で、運用商品である「ETFラップ®」は、ETFに特化したものだとわかりました。ちなみにETFにこだわったのは、投資信託よりもローコストで運用できるからということでしょうか。
廣瀬 その通りです。ETF(上場投資信託)とは証券取引所で取引される投資信託のことで、株式と投資信託の特徴を兼ね備えた金融商品です。内藤さんがおっしゃる通り、投資信託に比べて保有コストが安く、証券取引所を通じて手軽にアクセスできるのもメリットでしょう。これにより、高い販売手数料や運用手数料が利回りを食いつぶさない低コスト運用が可能になるわけです。
内藤 さらに個別判断や未来の予測を避けて理論とルールに基づいて運用する、パッシブ(インデックス)運用も大きな特徴ですよね。
廣瀬 日経平均株価など、あるインデックスを設定して、これに沿った運用を行うことをパッシブ運用と呼びます。これに対して、ファンドマネージャーみずからが投資対象を決めて運用するのがアクティブ運用ですが、過去のパフォーマンスをみると、パッシブ運用のほうが安定的だと実証されているのです。英国、英国を除いた欧州、北米、日本、日本を除いたアジア、世界だと、各市場のベンチマークに対する過去20年のアクティブ運用者のパフォーマンスは、日本を除いたアジア以外はマイナス。私も三井信託銀行(現三井住友信託銀)で年金運用に携わっていましたが、インデックス運用のほうが長期的には成績は良かったですから。ファンドマネージャーといいつつ、市場(インデックス)に勝つのは、至難の業です。自虐的な話ですが……。
内藤 インデックスファンドに勝っているアクティブファンドは4割くらい。さらに、個人が自分で銘柄を選択してもプラスの人は少なく、恐らく8割はインデックスに負けているはずです。