菊地崇仁ポイントを使って投資信託を
購入できる新サービスも！
さらに、ユニークな取り組みも現れています。それが、ポイントを使って金融商品を購入できるというサービスです。
そのひとつが、FXのシステムトレード「シストレ24」などで知られるネット証券「インヴァスト証券」による、投資クレジットカード「インヴァストカード」。これは、ジャックスと提携した同カード利用時に貯まるポイント（基本還元率1％）を毎月現金に交換し、世界のETF（上場投資信託）を買い付けるというサービスです。
インヴァストカードが面白いのは、カードポイントを使ってETFに投資をする＝元手となる投資資金はゼロで資産形成を始められるということ。言うなれば、積立専用のクレジットカードです。
また、投資を始める際は「アグレッシブ型」「バランス型」「パッシブ型」の３つのスタイルから選ぶだけ（予定）。選択に応じて買い付けるETFは変わり、投資スタイルは一定の条件をクリアすると種類は増えていきます。投資銘柄の種類、レバレッジ運用、ポートフォリオ運用、複利投資、自動売買運用など、スタート時点で金融商品や投資に対する深い知識は不要で、かつ個々の経験や知識に基づいて選択肢の幅を広げながら投資を体感しながら学べるという設計です。
気になるETFの銘柄例ですが、米国株式に投資するインデックスファンドの「SPDR ®S＆P® ETF」、日経平均株価に連動する成果を目指す「日経225連動型上場投資信託」、米ドル建てで発行された各国の高利回り社債（ハイイルード債）を選定して作った指数に連動し、毎月配当が行われる「iシェアーズ iBoxx 米ドル建てハイイルード社債ETF」など。幅広い投資対象のETFが用意される見通しです。
積立投資先はインヴァスト証券が提供するETF自動売買サービスの「トライオートETF」で、0.1口から買い付けに対応し、売買手数料はかかりません。ユーザーが負担するのは、ETF保有時にかかる金利のみです。インヴァストカード自体も初年度年会費無料で、翌年以降も年1回の利用で次年度の年会費は無料になります。
カード決済で得られるポイントを使いますから、それほど大きな金額にはならず、積立額もさほど大きくありません。とはいえ、カードポイントを無駄にしたくはない、効率的に使いたいという人には、とても有益なサービスです。本格的なローンチは今夏を予定していて、サービス内容にも変更はあるかもしれませんが、「ポイントで投資をする」という、とても興味深い取り組みだと思います。
ーーーカードポイントでETFを自動積立するというインヴァストカード。とても面白い投資手段といえるだろう。次回、5月最後のエントリーでも同様のサービスを紹介しよう。
菊地 崇仁 (きくち たかひと)
株式会社ポイ探 代表取締役。大学卒業後、日本電信電話株式会社（現NTT東日本）入社。システム開発に携わる。2002年の同社を退社後、友人と共に起業。ポイント交換案内サービス・ポイ探の開発に携わり、2011年代表取締役に就任。現在All About、カカクコム、ECZine、日経トレンディネットへ記事を提供する他、テレビ・雑誌でも活躍中。著書に「新かんたんポイント&カード生活 (自由国民社)」、「できるAmazonスタート→活用 完全ガイド（インプレス）」他。
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