ポイ探の菊地崇仁氏が、エンリッチ読者のライフスタイルにマッチするクレジットカード、あるいはポイントサービスの付加価値を見出す本連載。今月は、Go Toキャンペーンの続報や、LCC系クレカの情報をお伝えしよう。ーーー
エンリッチ読者の皆さん、ポイ探の菊地崇仁です。前回は、Go Toトラベルに東京発着が追加されたこと、さらにはGo Toイートキャンペーンの概要にも触れました。ポイント付与にスペックを割り振った「三井住友カード プラチナプリファード」など、機能特化型のクレジットカードの情報も取り上げています。プレミアム系のクレジットカードと言えばプロパーを中心に、コンシェルジュやトラベル・飲食などのフルサービスが前提でしたが、プラチナプリファードはそれを覆す、斬新な特典を提示しました。消費者のニーズが細分化するなか。今後も特化型カードが出てくる可能性はありそうです。
Go Toキャンペーンが続々と実施
イートはプレミアム付食事券を販売
トラベルを皮切りに、続々と始まっている国によるGo To関連のキャンペーンですが、10月1日から始まった「Go Toイート」が盛り上がっています。なんと、ポイント付与事業に関しては、制度が始まってから9か日間で延べ約558万人の予約あり、実際に利用されるとポイント付与額は49億円にのぼります。一方、同施策では低価格のメニューを注文してポイント差額分を稼ぐという、あまり行儀の良いとは言えない手口も横行することに。ネットを中心に話題になるや否や、開始から1週間で運用の見直しを余儀なくされました。今回の目的は、あくまで新型コロナウイルスの影響を受けた飲食業の救済策です。それを間違わずに使いたいものです。
また、Go Toイートではオンライン予約が注目されましたが、登録飲食店で使えるプレミアム付食事券(購入額の25%分を上乗せ)もあり、全国でもっともはやく販売を始めた新潟では購入者が行列となり、10月7日から事前予約の第1弾を始めた大阪は10万セットが5時間で完売、15日からの第2弾30万セットも、約8時間で予約がすべて埋まったそうです。
なお、東京では食事券の販売・利用を11月20日から始めます。食事券は紙券(1セット1万円で1000円券×10枚+500円券×5枚の計1万2500円分)とデジタル券(1セット8000円で1000円券×10枚の計1万円分)の2種類。紙券は300万セット、デジタル券は125万セット販売する予定で、紙券は事前に引換券を受け取ったうえで、成城石井や東急ホテルズといったスーパー、ホテルなどで購入ができ、デジタル券はヤフーが運営する「PassMarket」で買うことができます。
プレミアム付食事券は、都道府県により販売・利用のスケジュールやルールが異なります。各自治体の公式サイトなどで最新情報を確かめてください。
チケット代金を2割引、または会場の物販などで利用できるチケット代2割相当分のクーポンを付与する「Go Toイベント」も10月中旬にチケット販売事業者の公募が始まり、同下旬には主催者の公募も始まっています。対象となるのは全国のコンサート・展覧会・観劇・スポーツ観戦などのイベントで、例えばUSJはチケット販売事業者の申請をしていて、準備が整い次第、2020年12月31日までの期間中は、通常価格から20%を割り引いた1デイ・スタジオ・パスや、オリジナル特典としてフード・グッズが購入できるクーポン(1500円分)をセットにした、独自の1デイ・パスの販売を予定しています。
一方、三蜜対策などの感染拡大防止対策を徹底のうえ、商店街などがイベント等を実施して、周辺住民や生産者が地元や商店街の良さを再認識するきっかけとなる取り組みを支援するのが「Go To商店街」です。イベントなどを実施する商店街に、300万円を上限に支援金を支給(広域連携の場合は500万円を上乗せ)し、国内全域では1000件以上のキャンペーン実施を見込んでいます。消費者よりは事業者向けのキャンペーンですから、地域で事業を営む方に深く関係します。10月16日に先行募集について、34件の事業を採択したと事務局は発表していて、北は北海道から南は九州まで、全国各地の商店街が独自のイベントを開催するようです。
このように、Go Toキャンペーンは続々と実施されていて、街の活気も徐々にですが、取り戻しつつあります。三蜜を避け、感染症対策を徹底して参加したいものです。
ーーー消費者にとって付加価値の高いGo Toキャンペーンは人気のようで、街の活性化に寄与するだろう。次回は、自治体独自のトラベル施策に触れよう。
*2020年11月2日掲載