ポイ探の菊地崇仁氏が、エンリッチ読者のライフスタイルにマッチするクレジットカード、あるいはポイントサービスの付加価値を見出す本連載。今回は、今月はリーズナブルながらも基本的な特典を押さえたプラチナカードから取り上げる。(1/3から読む)−−−
プラチナクラスのサービスと
充実の保健機能を搭載したカード
今春は新カードの発行が相次いでいて、UCカードが6月1日から発行を始めた、「UCプラチナカード(UC Platinum)」は、年会費1万6500円のリーズナブルなカードです。家族カードは1枚当たり3300円なので、2万円以下で会員と家族がプラチナカードを保有できるというのは、なかなかありません。タッチ決済にも対応しています。
国際ブランドはVisaで、ポイント還元率は1%。10月から翌年9月の12か月間の間にポイントが付く月が10回以上あると100ポイント、UCポイントの累計が1000ポイント以上になると、プラス150ポイントを付与する特典もあります。
年会費を抑えているからといって特典が絞られているわけではありません。UCプラチナ会員特典としてトラベルやグルメ系の特典、お取り寄せグルメやフードデリバリー、オンラインフィットネスなど、ニューノーマルに寄り添うサービスを用意。「Visaプラチナ・コンシェルジュ・センター」をはじめ、国際線利用時の荷物の宅配優待、空港送迎ハイヤー優待などが付帯し、プライオリティパスは付帯しませんが国内主要空港のラウンジサービス、有名店やホテル内レストランの割引クーポンなど、Visa系のサービスもかなり充実しています。
大きな特徴は保険で、海外・国内旅行傷害保険やショッピング保険だけではなく、「通信端末修理保険」が自動付帯するのは、とても今どき。スマートフォンやタブレット、スマートウォッチ、パソコン(ノート・デスクトップ)、モバイルゲーム機などの通信端末が落下破損、水没、故障した場合、修理費用を年1回、最大3万円まで補償します。プラチナカードの基本的な特典を網羅しつつ補償系も充実させるといった、新機軸のカードだと思います。
一方、クレディセゾンは5月26日から、中小企業を対象とした3種類のビジネスカード「Business Pro CARD」の募集を始めました。同社ではこれまでも個人事業主や中小規模ビジネスオーナー向けのビジネスカードを発行していますが、今回は中小規模法人事業者の法人及び代表者向けに提供します。よって、法人向けのサービスが豊富にそろえてあり、最大100枚の社員カードを発行することも可能です。支払い猶予もビジネスカードの最長54日に対して、Business Pro CARDは最長84日と、キャッシュフローの改善に役立ちます。
カードの概要は以下の通りです。
◎セゾンプラチナ・ビジネス プロ・アメリカン・エキスプレス・カード
国際ブランド:アメリカン・エキスプレス
年会費:2万7500円(追加カード年会費:3300円)
◎セゾンゴールド・ビジネス プロ・カード
国際ブランド:Visa/Mastercard
年会費:3300円(追加カード年会費:1100円)
◎セゾン・アメリカン・エキスプレス・ビジネス プロ・パーチェシング・カード
国際ブランド:アメリカン・エキスプレス
年会費:1万1000円(追加カード年会費:1100円)
特徴はポイント付与ではなく、キャッシュバックに特化していることです。プラチナカードは1%、その他2枚は0.5%。最長15か月分の利用明細をウェブ上で確認、明細データはPDFやCSVでダウンロードできるので、精算業務の軽減にも役立ちます。申し込みのカードごとに利用枠の設定ができるので、従業員ごとの用途に合わせられるのも便利です。特典に関しては従業員も旅行傷害保険の対象で、プラチナカードの場合、代表者はプライオリティパスを無料で利用でき、会員専用のデスクも用意。ゴールドカードも国内空港ラウンジに対応しています。
ユニークなのは、企業間取引に便利な購買専用のパーチェシングカードの存在です。同カードにプラスチックカードはなくバーチャルカードのみで、追加カードの名義は部署名や支払科費目など任意に設定することが可能。担当者の移動によるカードの再発行手続きが不要です。他の種類と同じくカードごとに利用枠の設定ができ、用途に合わせた設定もでき、ウェブ明細でカードごとに利用の確認をすることで、ガバナンもの強化。利用可能な加盟店や決済先を制限すると不正利用のリスクを抑えることができます。
−−−中小法人事業者にとってパーチェシングカードは使い勝手の良さが際立つ。次回は三菱UFJニコスの新たな取り組みに触れよう。