ポイ探の菊地崇仁氏が、エンリッチ読者のライフスタイルにマッチするクレジットカード、あるいはポイントサービスの付加価値を見出す本連載。今月は新カードの情報を中心にお送りしよう。−−−
エンリッチ読者の皆さま、ポイ探の菊地です。前回は大丸松坂屋を擁するJ-フロント リテイリングによる「パルコお買い物ご優待カード」を紹介しました。PARCOでの買い物が5%オフになる株主限定のクレジットカードで、同社の株を保有しているなら持っておくと便利です。ダイナースクラブが新たに始めた個人カードとビジネスカードのポイント合算、ポイント利用、リユースサービスにも触れました。とりわけ、最近は国連によるSDGs(持続可能な開発目標)が注目されていて、これに関連する特典を用意するカードは今後も増えていくと思います。今回は、そんな新カードを取り上げます。
社会貢献型ショッピングサイトと
提携したカードが新たに登場
近年は本来食べられるのに捨ててしまう「フードロス」が世界的な課題になっています。各国で官民が対策に乗り出していますが、株式会社クラダシによる社会貢献型ショッピングサイトの「KURADASHI」もその一つ。フードロス削減の賛同メーカーから提供を受けた商品を最大97%オフで販売し、売上の1~5%を社会貢献活動団体に寄付するというもので、環境保護団体や動物保護団体、クラダシ基金など、全20団体を支援。賛同者としては、味の素や伊藤園など大手メーカーから地域の農家などが参加しています。
そんなクラダシと三越伊勢丹系のエムアイカードが提携し5月27日から発行を始めたのが、「KURADASHI Clubエムアイカード」です。国際ブランドはVisaで年会費は初年度無料、2年目以降は550円(ウェブ明細サービス+年1回利用で翌年無料)、ポイント還元率は0.5%、エムアイポイントが付与されます。
たまったポイントはJALやANAといった提携先のマイルやポイントと交換できるだけではなく、1000ポイントを1000円相当のKURADASHIのクーポンに交換することも可能です。また、毎年4月・10月はKURADASHIの利用で購入額合計の10%のエムアイポイントを付与します。KURADASHIのプレミアム会員費を同カードで支払ったうえで一定の条件をクリアすると、エムアイ3300ポイントを進呈という特典も。同サイトのユーザーにメリットのあるサービスがいくつも用意されています。
エムアイカードといえば「鹿島神宮カード」をはじめ、プロ野球やJリーグチーム、アニメなど、さまざまな提携カードがありますが、KURADASHI Clubエムアイカードは社会課題の解決に貢献するサービスとの連携ということで、時代に即しています。エムアイポイントがたまるので三越伊勢丹への来店動機にもつながるでしょう。
また、三越伊勢丹はこれまで、エムアイカードの利用でのみエムアイポイントを付与していましたが、アプリでもたまる・使えるサービスを始めています。共通ポイントのようになったことで利便性は高まり、一般的なエムアイカードを持たない人でもポイントを持つことで、やはり来店機会につながったり、「エムアイカード プラス」など各種クレジットカードの申し込みにつながるかもしれません。効果的な戦略だと思います。
−−−社会貢献型ショッピングサイトとの提携は、時代のトレンドに沿った取り組み。次回も、ユニークな新カードを取り上げよう。