ポイ探の菊地崇仁氏が、エンリッチ読者のライフスタイルにマッチするクレジットカード、あるいはポイントサービスの付加価値を見出す本連載。今回はマネックス証券が今年夏から始めるdカードを使ったクレカ積立サービスについて取り上げる。(1/3から読む)−−−
ドコモとの事業提携による新サービスが開始
NISAを使ったつみたて投資の普及が加速するなか、証券各社はクレジットカードを使い投資信託を定期的に購入する「クレカ積立」のサービスを充実させ始めています。毎月の買付に対してポイントがつき、証券口座に入金する手間も省けるのが特徴です。「楽天証券×楽天カード」「SBI証券×三井住友カード」「auカブコム証券×au PAYカード」「PayPay証券×PayPayカード」などいくつもサービスはありますが、この夏からは「マネックス証券×dカード」の組み合わせが始まります。
今年1月からドコモとマネックスグループ、マネックス証券では業務提携が始まり、中間持株会社の「ドコモマネックスホールディングス」を設立。株式の51%をドコモ、49%をマネックスグループが持ち、ドコモやマネックス証券のオウンドメディアやドコモショップ店舗で、資産形成に関するコンテンツを提供するといった施策が始まっていました。クレカ積立もその一環で、カード番号の冒頭4桁が「4363」「5344」「5365」の「dカード」「dカードGOLD」が対象となります。なお、マネックス証券では「マネックスカード」を使ったクレカ積立をすでに始めており、ポイントの還元率は1.1%と業界最高水準。dポイントの取り扱いもマネックスポイントと同水準とすることを予定しています。また、サービス開始後も、現行のマネックスポイントはじめマネックス証券のサービスはそのまま利用できるということです。ただし、dポイントとマネックスポイントでは圧倒的に知名度・加盟店に差があり、サービス開始後はdカードを使ったクレカ積立の割合が増加するとにらんでいます。なお、今年秋ごろにはdポイントを利用した投資信託の購入、dポイントでの投資信託保有ポイントの付与、冬ごろにはdアカウントを使ったマネックス証券へのログイン・口座開設など、今後はサービスの拡充も行われるようです。
携帯キャリアに限定すると、auはじぶん銀行・au カブコム証券・au PAYカード、ソフトバンクならPayPay銀行・PayPay証券・PayPayカード、楽天は楽天銀行・楽天証券・楽天証券と、銀行と証券、クレジットカード機能をグループ内に持ち、これらをつなげることで経済圏の拡大を図ってきました。対してドコモはクレジットカードはあるものの金融機能を持っていませんが、マネックスとの提携で証券とのつながりを確立することができました。今後、銀行も持てば他キャリアとそん色のないサービスが実現することとなり、一気に巻き返しを図ることが可能。その第一歩として、今回の取り組みは気になるトピックです。
−−−国内最大の携帯キャリアで、会員数1000万人超のクレジットカードを提供するドコモが、クレカ積立のサービスに本格的に参入することで、NISAを使ったつみたて投資はさらに活発になるかもしれない。次回、3月最後は自治体によるポイント還元の取り組みについて解説する。