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金融・交通分野で加速するキャッシュレス決済の普及 1/3

ポイ探の菊地崇仁氏が、エンリッチ読者のライフスタイルにマッチするクレジットカード、あるいはポイントサービスの付加価値を見出す本連載。ショッピングや納税など、現在はあらゆる領域でキャッシュレス決済が普及しているが、なかでも著しいのが金融や交通の分野だ。今回は新たな動きも含め、これらについて最新の情報を届ける。−−−

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エンリッチ読者の皆さま、ポイ探の菊地です。前回は、アメリカン・エキスプレス(アメックス)による「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・プリファード・カード」について取り上げました。旧ゴールド・カードより年会費は上がりますが特典は充実しており、コストパフォーマンスが高いプレミアム系クレジットカードを持ちたい人にとって、選択肢のひとつになると思います。メタルカードというのもポイントです。

「スルガ・セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード」「MINIダイナースカード」といった、特定の層をターゲットにしたクレジットカードについても触れました。クレジットカードの発行枚数は3億枚を超えており、すでに飽和状態を迎えています。片や法人カードの発行枚数は増えているなど、利用者を限定したカードのニーズは高まっているようで、今後もこういった取り組みは拡大するでしょう。今後も気になる情報を紹介したいと思います。

マイナンバーカードを活用したカード申し込みが開始

本題に入る前に、6月10日よりイオンカードが始めた、新たなサービスについて解説します。それが、マイナンバーカードを活用した、クレジットカード申し込みの受け付けです。

コンビニでの証明書等の取得、確定申告、健康保険証、パスポートの申請などさまざまなシーンで利活用の進むマイナンバーカードですが、そのひとつがカードのICチップに搭載された電子証明書を利用した本人確認です。今回のサービスでは、新規でクレジットカードを申し込む際、本人確認を公的認証サービスで行うことで、スマートフォンから安心・安全・便利に手続きができるようになりました。これに伴い、本人確認書類や顔写真の撮影が不要になります。

対象となるのは「暮らしのマネーサイト」からの申し込みで、イオンなどの店頭やタブレット端末からの申し込みは対象外。また、イオンウォレットアプリをインストールする必要もあります。また、認証の際は6~16桁の「署名用電子証明書暗証番号」の入力が求められます。これを忘れていると手続きができないので、注意しないといけません。

実際に試したところ、従来のスマートフォンを使った運転免許証の撮影、顔を傾けるなどの本人確認がなくなり、わずか数分で手続きは終わりました。手間はかなり削減されます。問題があるとすれば「署名用電子証明書暗証番号」を覚えているかどうかですが、すでにオンラインで個人認証サービスを使ったことがあるなら、大丈夫でしょう。同様の取り組みはPayPayやJ-Coin Payでも導入されていますが、その利便性の高さから他のクレジットカードの申し込みにも広がっていくかもしれません。

−−−6月下旬時点で、1億枚近くを発行しているマイナンバーカード。人口に対する交付率は約79%と、ここ数年で一気に広がりを見せている。日常シーンで使う場面も増えており、金融分野でも利活用が進んでいる。次回からは本題の、金融・交通分野におけるキャッシュレス決済の最新情報を伝えよう。

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菊地 崇仁 (きくち たかひと)

株式会社ポイ探 代表取締役。大学卒業後、日本電信電話株式会社(現NTT東日本)入社。システム開発に携わる。2002年の同社を退社後、友人と共に起業。ポイント交換案内サービス・ポイ探の開発に携わり、2011年代表取締役に就任。現在All About、カカクコム、ECZine、日経トレンディネットへ記事を提供する他、テレビ・雑誌でも活躍中。著書に「新かんたんポイント&カード生活 (自由国民社)」、「できるAmazonスタート→活用 完全ガイド(インプレス)」他。

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