ENRICH(エンリッチ)

The Style Concierge

クラウドファンディング Vol.4

杉山 元本や利回りは保証されないといった基本的な商品特性を含め、ソーシャルレンディングに対する啓蒙活動も求められます。実際に手がけてわかったのは、決してローリスクではないということ。ミドルリスクミドルリターンの性格が強いので、そういった点もご理解いただかないといけません。

エンリッチ マネーカフェ8月 4-2

一方、多くの人にご活用いただけるよう、ローリスクローリターンの商品を増やすことも考えています。いずれにしても、出資者も受け取る側も、双方がウィンウィンになれるような関係を作りたい次第です。

内藤 ソーシャルレンディングを活用し、いままで投資できなかったエリアに投資できるようになることは、社会的に意義があると思います。日本人はお金をたくさん持っていますが、有効に使えていません。「自分のお金だから勝手」という話もありますが、お金には公的な側面があることも事実。経済発展のために有効に使うことも考えてほしいと思います。ただし、個人に投資先を見つけるスキルはありませんから、クラウドクレジットのような専門家を頼ればいいのです。

杉山 当社の商品のように、ローンに投資するファンドは珍しいでしょうし、そういった関心から入ってきていただいても面白いと思います。そういった点で、他のアセットクラスとの差別化を図ることも課題。個人の方の資産運用ポートフォリオに組み入れる意味があれば、利用者も増えると思います。

内藤 おっしゃる通り、リスク特性が他のアセットクラスと異なるなら、採用を検討できます。クラウドクレジットの商品にように、利回りは高いけどダウンサイドも低い商品は他にあまりないので、株や債券の間として組み合わせるという手もあるでしょう。サテライト投資の一手段になるわけです。

そもそも、クラウドファンディングは、金融とITが融合した「フィンテック」のひとつ。ネットを活用することで、いままで投資できなかったジャンルに小口で個人が参加できるようになりました。こういったビジネスは、ますます発展していくでしょうから、クラウドクレジットの今後にも期待したいところです。

8月29日・30日に開催される「第2回世界の資産運用フェア」(事前申し込みで無料)にも出展いただきますから、そこでも多くの方に知っていただければと思います。杉山さん、本日はありがとうございました。

杉山 そうですね。私もフェアへの参加が楽しみです。こちらこそ、ありがとうございました。

ーーー新たなるアセットクラスとして期待が寄せられる、クラウドファンディング。有望なプレイヤーとして、クラウドクレジットの今後も気になるところだ。


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内藤 忍(ないとう しのぶ)

株式会社資産デザイン研究所代表取締役社長
一般社団法人海外資産運用教育協会代表理事
東京大学経済学部、MITスローン・スクール・オブ・マネジメント卒業(MBA)

大学卒業後、住友信託銀行に入社。
1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。
その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。
2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。

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早稲田大学オープンカレッジ、丸の内朝大学などで講師を務め、雑誌、ネットでの連載コラムを担当。主な著書にシリーズ10万部を超えるベストセラーとなった「内藤忍の資産設計塾」シリーズ。「60歳までに1億円つくる術」「「好き」を極める仕事術」「丸の内朝大学マネーの教科書」など多数。最新刊は「初めての人のための資産運用ガイド」(ディスカヴァー携書)。


杉山智行(すぎやま・ともゆき)

クラウドクレジット株式会社 代表取締役

2005年東京大学法学部卒業後大和証券SMBCに入社し、金利、為替の自己勘定取引チームで日本国債への投資業務等に携わる。2008年ロイズTSB銀行東京支店に入行し、銀行では資金部長を務めて支店経営陣に対してリテール預金の獲得など日本での事業機会について助言するなどし、同時に運用子会社の日本における代表および運用責任者を兼任し、当該子会社の財務計画および人事/経理/税務の管理も行う。2013年1月にクラウドクレジット株式会社を設立し、2014年6月から投資型クラウドファンディング・サービス「Crowdcredit」の運営を通じて、日本の個人投資家と世界の資金需要者がWin/Winの関係を作るサポートを行う。

クラウドクレジット株式会社

内藤忍

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