豪華ゲストがパネラーとなり、生の情報が得られるパネルディスカッションも、2日間で計10回行われた。テーマは幅広く「新興国不動産投資」「北米不動産投資」「インデックス投資」「外貨運用」「節税ノウハウ」「フィンテック」など様々。2日目の最後には、「金融資産と実物資産の『ハイブリッド投資』の時代」をテーマに、内藤氏も基調講演。資産運用に敏感な参加者は、これらに聞き入り、立ち見がでるほど。メモを取る熱心なオーディエンスの姿も見受けられた。
例えば、初日に行われた「新興国の不動産投資はここだ!(1)」では、フィリピン不動産を手がける、フォーランド リアルティ ネットワークジャパンの中尾孝久社長、カンボジア不動産投資からアンナキャムパートナーズの荒木杏奈社長をゲストに迎え、内藤氏の司会進行のもと、パネルディスカッション。
冒頭で、内藤氏がフィリピンやカンボジアに投資用物件を持っている参加者がいるかどうか尋ねたところ、数名は所有している模様。ここからも、資産運用に対するオーディエンスの意識の高さや行動力が伺える。
内藤氏は、新興国不動産投資のメリットについて、まずは解説。「新興国の魅力は成長率。対して日本は少子高齢化もあり、マイナス成長もあり得ます。皆さんの資産を国内においておいても、非効率的。近年は多くの企業が海外進出していますが、それは国内だと成長が見込めないから。個人にも同じようなアクションが求められます」
これに対して、「フィリピンはGDPベースで6%成長、経常収支は黒字を継続、概ね順調に経済成長を辿っています。」(中尾社長)、「カンボジアは7%成長。スタバも進出し、イオンも盛況です。街は大きくなっていて、それを実感する毎日です」(荒木社長)と、バックボーンをレスポンス。
「フィリピンは、首都マニラ。経済中心地のマカティ、なかでもグローバルシティというエリアが注目を集めていて、中心地で信頼できるデベロッパーから買うことです」と中尾社長が紹介すれば、荒木社長も「カンボジアは人口1500万人で。集中するプノンペンが注目のエリア。近郊にダイヤモンドアイランドというエリアもあり、新たに物件が開発されています。外資系の駐在員に貸し出すケースが多く、キャピタル・インカムゲインの両方が狙えます」というように、リアルな情報を提供した。
内藤氏は資産運用の観点として「フィリピンもカンボジアも今後景気は上下しますが、長期的な視点だと成長率に乗ることが期待できる国。分散投資先として考えられるのではないでしょうか」とアドバイスし、このセッションは締めくくられることに。こういった、現地に精通したプロフェッショナルの声を聞くことができるのが、このイベント醍醐味。参加者にとっても貴重な時間になったのではないだろうか。
ーーー幅広く、世界の資産運用について知り・学ぶ事が出来る「第2回世界の資産運用フェア」。来場者が各ブースで具体的な質問をぶつけている姿も印象的だった。
続く次回では、これまでエンリッチにもご登場いただいた方々からの近況メッセージを紹介しよう。日々変わっていく環境に、きっと驚くはずだ。
内藤 忍(ないとう しのぶ)
株式会社資産デザイン研究所代表取締役社長
一般社団法人海外資産運用教育協会代表理事
東京大学経済学部、MITスローン・スクール・オブ・マネジメント卒業(MBA)
大学卒業後、住友信託銀行に入社。
1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。
その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。
2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。
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早稲田大学オープンカレッジ、丸の内朝大学などで講師を務め、雑誌、ネットでの連載コラムを担当。主な著書にシリーズ10万部を超えるベストセラーとなった「内藤忍の資産設計塾」シリーズ。「60歳までに1億円つくる術」「「好き」を極める仕事術」「丸の内朝大学マネーの教科書」など多数。最新刊は「初めての人のための資産運用ガイド」(ディスカヴァー携書)。