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マイナス金利時代の都内区分所有投資 Vol.2

資産デザイン研究所代表の内藤忍氏が、各界のプロフェッショナルと、投資談議に花を咲かせる、この企画。5月のテーマは「都内中古ワンルームマンション」。マイナス金利下だからこそ、投資を始めるのに有利だというが、もうひとつの理由とは?

エンリッチ マネーカフェ5月4

空前の低金利だからこそ
不動産投資に目が向く

内藤 マイナス金利がもたらす、もうひとつのメリットは、預金金利の引き下げです。導入前は定期預金で0.05%だったのが0.01%、普通預金なら0.001%と、ゼロに等しい水準になりました。それでも、銀行にお金を預けて金利を取られる状況は起きていませんが、投資信託では資産運用各社はマイナス金利に伴う負担を手数料として投資家に転嫁する方針で、投資家が影響を被ることになりそうです。

澁谷 これからは投資信託の保有者のコスト負担が増すということですか。

内藤 その通りです。投資信託がキャッシュとして預けている余裕資金にも信託銀行が負担を求める方針を出しました。
これからは金融資産で運用しようとしても、円資産に投資していては満足なリターンが得られなくなってきているのです。金融資産以外の運用対象を考える必要があります。

澁谷 そこで不動産の出番ということですね。都心中古ワンルームマンションの利回りは現状4~5%で推移していますから、相対的に魅力があります。

内藤 仮に1,000万円で物件を買い4%で運用すれば、年間およそ50万円が入ってきます。都内なら入居率も高くて空室リスクはかなり抑えられています。
利回りだけではなく、相続税対策としても、不動産投資は有効です。ワンルームマンションを買い、毎月の家賃収入があれば、年金生活の足しなるのはもちろん、将来はお子さんやお孫さんに相続することになります。そこでも、現金や預金なら2,000万円あると、100%相続税の課税対象になりますが、ワンルームマンションのような不動産だと、路線価と固定資産税評価額で査定され、評価金額が小さくなることが多いのです。

澁谷 預金金利に対して不動産投資の利回りは驚異的に高く、効率的に資産を使うことができます。現状は4~5%ですが、仮に3%に下がったとしても、まだまだ有利な状況に変わりはありません。

内藤 かつては、ワンルームマンションを担保に融資するのは、一部の金融機関に限られましたが、いまは地方銀行なども積極的に対応するようになってきています。

澁谷 今後は、銀行間の競争も激しくなり、さらに貸出金利が引き下げられたり、融資貢献も緩和されるかもしれません。借り手にとって、さらなるチャンスが訪れると思います。

ーーーマイナス金利は預貯金や投資信託、国債といった、従来の資産運用に対してネガティブに影響を及ぼすが、こと不動産投資にとっては逆。低金利ゆえ、有利な状況をもたらしている。それでは、次回からは、これからワンルームマンションに投資する際のポイントを、澁谷氏に訪ねていこう。


澁谷 賢一(しぶや・けんいち)

日本不動産イニシアティブ株式会社 代表取締役
国内ではグループ会社含め、不動産開発・販売、約100億円の資産運用を手がける他、大手 保険会社に対するライフコンサルティング、国内外の法人、個人顧客向けの会計・税務顧問、相続対策、資金調達、プライベートエクイティ投資等を行う。日本不動産イニシアティブでは、不動産を活用した資産運用、年金対策、相続・税金対策等のライフプランニング支援サービスを個人顧客向けに展開。現在、日本不動産イニシアティブ、ブリッジ・シー、ドムスグループ、澁谷賢一税理士事務所の代表に就任。

内藤 忍 (ないとう しのぶ)

株式会社資産デザイン研究所代表取締役社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、金融機関勤務を経て1999年にマネックス証券の創業に参画。同社は、東証一部上場企業となる。その後、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役などを経て、現職。著作は40冊以上。2015年には銀座に「SHINOBY`S BAR 銀座」をオープン。無料のメールマガジン「資産デザイン研究所メール」は購読者が約47,000人という人気

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内藤忍

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