元木 太陽光発電には空室リスクはなく、日光が降り注ぐ限り利益が生まれて、それが毎月手元に入ってきます。高利回りながらローリスクで安定収入が期待できることから、銀行も融資に前向きになっているわけです。政府による固定買取制度は大きいでしょう。先ほどの行方麻生ソーラーパークの売電価格は税別40円ですが、これが20年間続くので、安定感は桁違いです。
内藤 来年の3月末までは「生産性向上設備投資促進税制」が適用され、特別償却50%も対象にもなり、節税効果も期待できます。ちなみに御社の場合、顧客の属性は?
元木 我々の場合、お客様は法人に限らせていただいています。ただし、法人の社長は個人として例外的にご購入いただくケースもあります。事業で利益が出ていて投資先を探していたり、一方では節税ニーズも高いようです。保険が満期になり手元の資産が増えたので投資をするなど、ファイナンスの面でのご活用が目立ちます。なかには純粋に利回りを見て買う方もいますが、圧倒的に多いのは節税対策でしょう。いまは減税措置もありますから、太陽光を始めやすい環境も整っています。
ーーー固定買取制度を背景に、魅力のある金融商品としての側面も持つ、太陽光発電。他の資産運用に比べて利回りや税制面でのメリットも際立つ。そこで気になるのは、事業者の良し悪しを見極める手段。公平な視点で元木氏に語っていただこう。
元木丈泰(もとき・たけやす)
シナネン株式会社執行役員
エネルギーソリューション部長
1964年生まれ。大阪府出身。1987年に品川燃料(現シナネン)に入社、LPガスの卸売り営業に従事。特にLPガス事業者のM&Aを手掛け、高い成果を上げる。その後、LPガス小売会社に出向。社長を務め、赤字会社の再生を手掛ける。シナネンに復帰後はエネルギーソリューション部の創設に参画し、省エネ・節電・創エネのビジネスモデルを確立。特に太陽光発電を中心に再生可能エネルギーに取組む。現在この他、バイオガス事業の展開を手掛ける。