内藤 つまり、富の移転というわけですね。売電価格が下がっているのは、年を追うごとに負担が増してきたからでしょうが、国民から集めたお金を再分しているわけですから、やっている人が富を集める仕組みになっていますね。
元木 そうかもしれません。政府も当初は、1カ月の負担はコーヒー一杯程度といっていましたが、いまや600円。不満に覚える人もなかにはいるでしょうから。
内藤 また立地も大事で、いまは周囲に何もなくても、近くマンション建設の計画があるなんてことも…。市役所に尋ねるなど、周辺環境についても事前にリサーチした方が良さそうです。
元木 設備の西や南に建設されると痛手です。ですから、購入前には現地に足を運び、しっかりと調査することをお勧めします。
また、太陽光パネルを載せる架台も、堅牢に作られているか。当社の場合、地盤に応じてスクリュー状の杭を打ちますし、下は鉄製、上はサビに強く軽くて施工しやすいアルミを用いています。杭打ちが浅いと北風の巻き上げで杭が抜けて架台が不安定になり、発電量が落ちることもあります。こういった点は素人だとわかりにくいのですが、事業者に尋ねてみましょう。
いずれにしろ、利回りが期待でき、かつローリスクで安定収入を期待できるのが太陽光発電です。投資先に困っているなら検討の余地はあると思います。分譲ソーラーであればエリアを分散させることで、災害や日照のリスクを分散させることもできます。内藤さん、本日は貴重なお時間ありがとうございました。
内藤 リスクもありますが、リターンを期待できる有望な投資対象であることがわかりました。私こそ、今日は勉強させていただきました。ありがとうございます。
元木丈泰(もとき・たけやす)
シナネン株式会社執行役員
エネルギーソリューション部長
1964年生まれ。大阪府出身。1987年に品川燃料(現シナネン)に入社、LPガスの卸売り営業に従事。特にLPガス事業者のM&Aを手掛け、高い成果を上げる。その後、LPガス小売会社に出向。社長を務め、赤字会社の再生を手掛ける。シナネンに復帰後はエネルギーソリューション部の創設に参画し、省エネ・節電・創エネのビジネスモデルを確立。特に太陽光発電を中心に再生可能エネルギーに取組む。現在この他、バイオガス事業の展開を手掛ける。