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ETFラップ® vol.2

ETFラップ®でパッシブ運用

資料提供:お金のデザイン
資料提供:お金のデザイン

 
廣瀬 国内外の機関投資家のパッシブ:アクティブ比率の事例を見ても、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)や日本の確定拠出年金(DC)といった大手年金運用では、国内債券、国内株式、外国債券、外国株式など各資産とも50%~90%はパッシブ運用。海外でもNY州教職員退職年金(NYSTRS)のパッシブ運用比率は、国内株式94%、外国株式46%、内外債券100%と、やはりパッシブ運用比率が高く、世界のトレンドはアクティブからパッシブにシフトしていることを意味します。対して、国内一般向けリテール投信はアクティブ運用が90%。これって、ひどいですよね。

内藤 グローバルな金融業界のトレンドはインデックス。例えば、アメリカ最大の年金基金である、カリフォルニア州職員退職年金基金(CalPERS)も、ヘッジファンドを使った運用から撤退を決めました。アメリカの最先端の年金基金の運用は低コストのインデックスにシフトしてきています。
金融資産は、実物資産とは異なり市場の効率性が高く、アクティブに運用しても市場平均(インデックス)に勝つのが難しい。だから、アクティブ運用よりインデックス運用した方がいいわけです。
具体的に日本人が活用できるインデックス運用商品といえば次の4つが考えられます。

① 投資信託のインデックスファンドを買う
② 日本国内のETFを買う
③ 海外ETFを日本のネット証券経由で買う
④ 外国の証券会社に口座を開いて買う

ところが

① は品揃えのバリエーションが少なく、信託報酬もETFに比べると高い
② 国内ETFはコストは安くても、流動性や商品性に欠けるものもある、
③ は廣瀬さんのお話の通り為替・売買手数料が高い、

というように、それぞれデメリットがあります。

そこで、お金のデザインさんが選んだのが、④の外国の証券会社に口座を開き、そこから全世界のETFにアクセスする手段ということですね。アメリカの最先端がインデックスを低コストで運用するというスキームを、日本初で持ちこんだ。

廣瀬 その通りです。しかも、私たちは投資一任業者という運用会社のステイタスがあり、投資のプロ集団。世界中のETF約5300銘柄にアクセスできます。一方、個人は投資家保護の観点から制約が設けられ、国内証券会社が勧誘できるETFは400銘柄強(東証上場ETF約160種類。国内届済み海外ETF約280種類)に過ぎません。そのうち債券系ETFは10%弱しかなく、それだとインカムを重視する個人のニーズが満たせず、他資産との相関性の低さによる分散効果も得られません。

内藤 ところが「ETFラップ®」は投資できるETFが約5300銘柄。株式(国別、地域別、スタイル別、業種別)、債券(国別、地域別、国債/社債/ハイイールド)、不動産(REIT)(国別、地域別)、コモディティやオルタナティブに分散投資をするわけですか。

廣瀬 対象資産、投資地域、投資通貨いずれの観点からも分散投資が可能です。アメリカやイギリス、欧州、シンガポール、香港、オーストラリアのETFを取引することができ、仮に50銘柄を買えば、30の国や地域、50通貨、1万銘柄に分散投資することになります。

―――金融の最先端であるインデックス投資。ETFを通じることで、それが可能になるということだ。しかも、個人では取引でない銘柄も扱えるのが、お金のデザインの強みということだ。そこで気になるのは「ETFラップ®」の実態。どのように資産を一任するのか、それ流れを追っていこう。


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内藤 忍(ないとう しのぶ)

株式会社資産デザイン研究所代表取締役社長
一般社団法人海外資産運用教育協会代表理事
東京大学経済学部、MITスローン・スクール・オブ・マネジメント卒業(MBA)。

大学卒業後、住友信託銀行に入社。
1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。
その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。
2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。

毎週発行する資産デザイン研究所メールは、購読者約12,000名。個人投資家の強い支持を受けている
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セミナー、スタディ・ツアーなどの最新情報はこちら http://asset-design.jp/news/ から

早稲田大学オープンカレッジ、丸の内朝大学などで講師を務め、雑誌、ネットでの連載コラムを担当。主な著書にシリーズ10万部を超えるベストセラーとなった「内藤忍の資産設計塾」シリーズ。「60歳までに1億円つくる術」「「好き」を極める仕事術」「丸の内朝大学マネーの教科書」「究極の海外不動産投資」など多数。最新刊は1月末に出版した「飲めて殖やせる 究極のワイン投資」。


廣瀬 朋由(ひろせ・ともよし)

株式会社お金のデザイン代表取締役社長
横浜国立大学経済学部経済法学科卒業
1982年に三井信託銀行(現三井住友信託銀行)株式会社に入社し、投資顧問部、受託資産運用部(年金運用部)にて内外株式/債券の運用の統括責任者になる。
1989年に和光証券経済研究所出向。1999年に世界最大の資産運用会社バークレイズ・グローバル・インベスターズ株式会社に入社、営業統括本部営業企画部長として、営業企画、商品戦略、マーケティング、コンサルタント・リレーションズ全般を担当。
2009年ブラックロック・ジャパン㈱との合併後、Global Client Group(営業部門)COOに就任。外部委員として、厚生年金基金連合会基本方針細則検討会外部委員、東京証券取引所デリバティブ懇談会委員、大和総研リスク管理委員会委員(オルタナティブ伝統的資産運用)、大和総研リスク管理委員会委員(伝統的資産運用)を歴任。日本証券アナリスト協会検定会員。

著書に、『カレンシー・オーバーレイ入門』(年金情報)、『カレンシー・オーバーレイの諸問題』(日経金融新聞)、『計量アクティブ運用のすべて~その理論と実際』第9章「キャパシティ」(きんざい)

株式会社お金のデザイン

インフォメーション:3月18日(水)、お金のデザイン社主催、第3回目資産運用セミナー「米国に学ぶ投資一任運用の最前線」が開催予定。内藤氏も講師として出席する。
詳しくは、http://eventregist.com/e/5kJnPIOMDhfc

内藤忍

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