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【3】外貨資産:何を選ぶと良い?

資産デザイン研究所代表の内藤忍氏が、資産形成にまつわる悩みや質問に答える、新シリーズ。今回のお悩みは「外貨資産の持ち方」についてです。ーーー

外貨資産:何を選ぶと良い?

Q(質問者):内藤さんは以前から「外貨を持たないリスク」について主張しています。私も遅まきながら感じ始め、外貨資産を増やそうと考えています。とはいえ、不動産や株は怖くて、何を買ったら良いかわかりません。外貨資産として、何を保有すれば保有すれば良いのでしょうか?

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A(内藤氏):外貨資産をこれから持とうという場合、何から始めればいいのか…これは、よくある相談です。株式は銘柄が選べない、不動産は金額が大きすぎる、債券は金利が低い、投資信託も数が多くて何を選べばいいか判断できない…といった具合に悩んでいるうちに為替は変動して、さらに焦ってしまうこともあるでしょう。

また、為替リスクをバランスさせるため外貨投資をするのに、株や債券、投資信託、不動産といった資産を購入すると、為替以外のリスクが同時に発生してしまうという問題があることも事実です。例えば海外不動産の場合、テナント付けや日常の物件管理など、気になることはたくさん。リスクを抑えるために外貨資産を持ったというのに、さらにリスクが高くなったり、心配事や手間が増えてしまうこともあるのです。

そこで、外国為替証拠金取引(FX)を使ってみてはいかがでしょうか。

ご存知でしょうが、FXとは「米ドル/円」といように、異なる通貨の値動きで利益を狙う金融商品です。為替の上昇・下落のどちらに対しても「売り(ショート)」「買い(ロング)」を使い分けることで収益機会を得られますから機動性は高く、最大でレバレッジ(自己資金に対してどの程度リスクを取るのかの比率)25倍の取引ができるので、資金効率も悪くありません。

ところがこのFX、ハイリスクな商品だと捉える人が少なくありません。「ハイレバで取引して資金をショートした」といった声は珍しくありませんし、「ギャンブルと一緒」と思い込むケースも…。
ですが、これは資金管理をできていないからで、徹底することでリスクを抑え、適切に管理することはできます。例えば、レバレッジも最大まで使うのではなく3倍程度にしておけば、外貨預金より圧倒的な低コストで外貨資産を保有した時と同様の効果が得られるのです。私も使うことはありますが、その際は証拠金として入金しているお金の3倍を目安に外貨を取引するようにしています。

仮に、FXで米ドルの買いポジション(円安で利益、円高で損失が発生)を持ったとします。この場合のメリットは、必要になったら米ドルのまま引き出して、銀行口座に送金できることです(事業者によってはできないケースもあります)。ならば、とりあえずはFXで外貨の買いポジションを作り、将来に海外不動産を購入することになったら、銀行を経由して海外送金をすれば、購入資金に充てるといったことも可能になります。

このように、株や投資信託、債券などを買うのではなく、身近にある外貨投資を通じても、外貨資産を形成することはできるのです。

内藤 忍 (ないとう しのぶ)

株式会社資産デザイン研究所代表取締役社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、金融機関勤務を経て1999年にマネックス証券の創業に参画。同社は、東証一部上場企業となる。その後、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役などを経て、現職。著作は40冊以上。2015年には銀座に「SHINOBY`S BAR 銀座」をオープン。無料のメールマガジン「資産デザイン研究所メール」は購読者が約47,000人という人気

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