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【5】NISA:毎年の非課税枠はすべて消化すべき?

例えば、相場環境に懐疑的な見方であるにも関わらず、NISAの今年の枠を消化するために無理に投資をするというのは、本末転倒ではないでしょうか。

また、投資タイミングを考えないで積立を使った資産形成を実践している人であれば、時間の分散という観点から毎月1万円など、「定額の積立」を続けるのが王道です。

こちらもNISAの枠を使い切るために、「すべて積立に投じる」というように、ギリギリに慌てて投資をする理由はありません。

確かに、税制の優遇は魅力的に映り、上手に活用したいところですが、投資は節税が目的では無く、資産を守り、増やすことが最終の目的です。

そもそも値上りやインカム収入で利益が出なければ、NISAであろうと無かろうと、そもそも税金を払う必要はありません。順番を間違えないようにしましょう。

NISAの枠が使い切れなければ、来年から計画的に使うように改善すれば良いのです。キャンペーンにあおられて、今から慌てて投資を年内にする必要はありません。

むしろ、年内にどうしても節税をしたいのなら、「ふるさと納税」を利用してみては? こちらなら、節税と同時に返礼品も受け取れますから、確実にお得が実現します。

内藤 忍 (ないとう しのぶ)

株式会社資産デザイン研究所代表取締役社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、金融機関勤務を経て1999年にマネックス証券の創業に参画。同社は、東証一部上場企業となる。その後、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役などを経て、現職。著作は40冊以上。2015年には銀座に「SHINOBY`S BAR 銀座」をオープン。無料のメールマガジン「資産デザイン研究所メール」は購読者が約47,000人という人気

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