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【9】国内不動産投資:いまから始めても間に合う?

また、国内の不動産投資では、タイミングよりもむしろエリア選択を間違えないことが重要です。日本全体では人口減少が始まり、将来的には消滅するエリアが出てくると識者は予測していますし、実際東京であっても多摩地区は不動産の空室が増え、都心とは対照的に物件価格が下落し始めています。

そうであれば、やはり人口減少が続くエリアで不動産投資を始めるのはリスキーでしょう。物件価格が安くて低金利で資金を調達できたとしても、入居者がいないことに、それはただの箱にしか過ぎません。なかには、地方でボロ家を格安で買ってリノベーションをして貸し出し、高収益の賃貸経営を成功させている方もいますが、それは独自のノウハウがあってこそ。不動産投資に集中できる専業大家ならまだしも、通常はビジネスのある方だと、そういった手法を確立するのは簡単でありません。ならば、需要のある場所に物件を持ち、なるべく手をかけずに賃貸収入を得る方が得策です。

アメリカは政策金利を引き上げ始めましたが、世界的に低金利は続いていて、不動産投資のリターンというのはリスクを勘案しても魅力的だと思います。目先の値上がり・値下がりだけを見るのではなく、5年、10年単位の資産形成という観点で投資を考えて見てください。

一方で、近年は超低金利の元、金融機関は不動産投資を始める個人に対して過剰なまでの貸し付けを行ってきました。これが問題視され、融資に慎重になる銀行も出てきています。金融機関の動向、自身の資金計画とも照らし合わせながら計画的に進めていきましょう。

内藤 忍 (ないとう しのぶ)

株式会社資産デザイン研究所代表取締役社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、金融機関勤務を経て1999年にマネックス証券の創業に参画。同社は、東証一部上場企業となる。その後、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役などを経て、現職。著作は40冊以上。2015年には銀座に「SHINOBY`S BAR 銀座」をオープン。無料のメールマガジン「資産デザイン研究所メール」は購読者が約47,000人という人気

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内藤忍

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