ポイ探の菊地崇仁氏が、エンリッチ読者のライフスタイルにマッチするクレジットカード、あるいはポイントサービスの付加価値を見出す本連載。今月は、7月下旬から始まった政府による「Go To Travelキャンペーン」と、マイナンバー制度についてお伝えする。ーーー
エンリッチ読者の皆さん、ポイ探の菊地崇仁です。前回は、10月から始まる「マイナポイント事業」について解説しました。これは、マイナンバーカードとキャッシュレス決済を紐づけ、特別にポイントなどを付与する施策のこと。電子マネー、プリペイドカード、QRコード、クレジットカード、デビットカードなど、登録できる主なサービスは出そろった感じです。マイナンバーカードの保有が条件で登録作業が必要ですが、お得な取り組みだと思います。
疲弊した国内観光業を支援する
「Go To Travelキャンペーン」が開始
今回、まず取り上げるのは、7月22日から始まった、国による「Go To Travelキャンペーン」についてです。これは、新型コロナウイルス感染症で甚大な影響を受けた観光・運輸業、飲食業、イベント・エンターテインメント業などを対象とし、期間限定で官民一体型の需要喚起を講じる、予算総額1兆6794億円をかけた「Go To キャンペーン」事業のひとつ。様々な取り上げられ方をしていますが、どのようなものなのか。ここで整理したいと思います。
キャンペーン全体は、以下のようなイメージを掲げています。
■Go To Travelキャンペーン
旅行業者等経由で、期間中の旅行商品を購入した消費者に対して、代金の2分の1相当分のクーポン等(宿泊割引・クーポン等に加え、地域産品・飲食・施設などの利用クーポン等を含む)を付与(最大一人あたり2万円分/泊)。
■Go To Eatキャンペーン
オンライン飲食予約サイト経由で、期間中に飲食店を予約・来店した消費者に対し、飲食店で使えるポイント等を付与(最大一人あたり1000円分)。登録飲食店で使えるプレミアム付食事券(2割相当分の割引等)を発行。
■Go To Eventキャンペーン
ケット会社経由で、期間中のイベント・エンターテイメントのチケットを購入した消費者に対し、割引・クーポン等を付与(2割相当分)。
■Go To商店街キャンペーン
商店街等によるキャンペーン期間中のイベント開催、プロモーション、観光商品開発等の実施。
このうち、本来は8月から実施であったのを前倒しする形で始まったのが、Go To Travelキャンペーンです。実施に当たっては、「いますべきこと?」や「東京都(東京を目的とする旅行、東京都在住者の旅行)が除外されたこと」などに対して賛否両論あるようです。ただし、売上減に苦しむ宿泊施設や観光施設などが助かることも事実。ここでは、その概要を記します。
Go To Travelキャンペーンは、旅行会社が扱う旅行商品(交通+宿泊のフリープラン、団体ツアーなど)や、宿泊施設が直販する宿泊プランなどを予約する際に、最大半額相当(1泊あたり最大2万円/日帰りの場合最大1万円)の補助が適用されます。補助金額のうち7割は旅行代金の割引に使われ、残り3割は現地でのお土産購入や観光施設の利用など、旅行中のみ利用できる「地域共通クーポン」に充てられる仕組みです。ただし、クーポンの発行は9月1日以降となっていて、それまでは旅行代金の割引のみが補助されます。一人当たりの宿泊・利用回数に制限はありません。また、個人で手配する航空券や電車など交通機関の費用は、補助の対象外です。
例えば、宿泊と交通がセットになった1泊10万円のプランの場合、旅行代金の最大半額・1泊最大2万円が補助されるので、2万円が補助。そのうち7割の1万4000円が旅行代金の割引、残り3割の6000円が地域共通クーポンに充てられます。
なお、キャンペーンの対象期間は2021年(終了日未定)とされています。ただし、当キャンペーンの予算は約1.1兆円、宿泊旅行換算で約5500万泊分と国民一人当たり1泊以下なので、早めに終了する可能性が。人気観光地ほど、その傾向が高いかもしれません。関連情報は観光庁の「Go To Travelキャンペーン」のページで随時更新されているので、気になる方はチェックしてください。
ーーー7月下旬より始まった、Go To Travelキャンペーン。地域振興にもなるので、出かける計画があるなら使う手もあるだろう。次回も、同施策に対する情報をお伝えする。
*2020年8月11日掲載