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INFINITI/インフィニティ

今年のデトロイトモーターショーではインフィニティQ60というモデルが発表された。言わずもがな、スカイラインクーペとなるシロモノだ。

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4ドアをさらにブラッシュアップしたそれはかなりスタイリッシュでエレガントなフォルムに包まれる。複雑な面構成がなんともセクシー。きっとこのモデルも日本で発売されるときにはフロントグリルにインフィニティバッヂが装着されるであろう。

そういえば、今回のフーガのビッグマイナーチェンジでもそれはしっかり取り付けられた。

となると、もはや確信犯。インフィニティ日本導入への布石とも考えられなくない。既存の考え方では販売ネットワークの構築云々という課題が浮上するが、いまやそれも昔。ネット販売をメインとし、既存店はその中継ぎとすればいい。まぁ、いろいろ圧力は生じるだろうが、頭を柔らかくすればブレークスルーも不可能ではないはずだ。

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ビッグマイナーチェンジ後のFUGAはインフィニティバッジ

なんてことを考えながらスカイラインをテストドライブしたときのことが頭をよぎった。確かに、エクステリア、インテリアともにつくりがいいばかりか走りも上質だ。ハイブリッドも2リッターターボ車も想像以上にいい。インフィニティブランド用と考えれば納得。とはいえ、日本でもしブランドが変わればスカイラインの名前は消滅する。その功罪はきちんと整理しなければならない。ただ、そうなったとき両ブランドで売ることだけは避けたい。日本的なそのバランス感覚がいつも成功するとは限らないからだ。

他の国産メーカーにはできない“外資系ニッサン”ならではの大胆な戦略を今後も期待したい。

九島辰也

九島 辰也 (くしまたつや)

モータージャーナリスト兼コラムニスト/ 日本カーオブザイヤー選考委員。「Car EX(世界文化社)」「アメリカンSUV/ヨーロピアンSUV&WAGON(エイ出版社)」編集長「LEON(主婦と生活社)」副編集長を経て、現在はモータージャーナリスト活動を中心に様々なジャンルで活躍。2015年からアリタリア航空機内誌日本語版編集長、2016年から「MADURO(RR)」総編集長もつとめる。

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九島辰也

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