ポイ探の菊地崇仁氏が、エンリッチ読者のライフスタイルにマッチするクレジットカード、あるいはポイントサービスの付加価値を見出す本連載。今月は、コロナ禍におけるカード会社の対応を中心に、最新トピックを紹介する。ーーー
エンリッチ読者の皆さん、ポイ探の菊地崇仁です。前回は、7月から始まった政府による、「Go To Travelキャンペーン」の概要を取り上げました。現状(8月中旬時点)で東京都は除外されたままですが、対象地域に住む方が期間中に旅行商品を購入すると、代金の最大2分の1相当が補助されるという制度です。今後は、「Go To Eat、Event、商店街」といったキャンペーンも実施される予定で、機会があれば、ここでも取り上げたいと思います。
プレミアム系クレジットカードは
独自のサービスを続々と開始
1日も早い収束を願うものの、東京都をはじめ全国でコロナ禍がなかなか収まりそうにありません。8月のお盆に帰省できなかったり、国内外の旅行を控えた人もいることだと思います。
そこで気になるのが、年会費が高額であるプレミアム系クレジットカードの付帯特典です。無料ラウンジや手荷物の配送、リムジンによる送迎など空港系のサービス、ホテルや旅館、レストランの優待などトラベルやグルメ系のサービスが充実していますが、使う機会がないホルダーもいることでしょう。つい、「コストに見合わない」と思ってしまうかもしれません。
一方、新型コロナの影響でホルダーの外出自粛などにより、カード決済の機会も大幅に減りました。一般社団法人日本クレジットカード協会が、カード会社16社を対象とした調査によると、2020年5月分のショッピングクレジット信用供与額は4488億8600万円で、前月比18.9%減、前年同月比25.9%減という結果でした。カード会社の収益の柱は決済手数料ですから、たまったものではありません。
ただし、こうした状況を受け、カード決済を促すキャンペーンを各社は実施しています。新型コロナの影響で売り上げの減った加盟店への支援という側面もあるに違いありません。
例えば、アメリカン・エキスプレスでは、センチュリオンカードとプラチナカードのホルダーに対してポイント2倍、ためたポイントをカード利用代金の支払いに充当する際のレートアップのキャンペーンを、4月22日~7月20日まで実施。7月3日から9月24日にかけては、事前登録のうえ対象店舗でカード決済をすると30%を(カード1枚につき5000円まで。複数店舗での利用可)キャッシュバックする「SHOP SMALL®」も行っています。同様の取り組みは以前からあるので、コロナ禍だから特別というわけではないでしょうが、キャンペーンに参加するのは中小店舗なので、地域振興にもなるでしょう。
旅行に関しては、センチュリオンとプラチナカード向けの「ファイン・ホテル・アンド・リゾート」で、通常ならチェックイン時の状況により部屋を1ランクアップグレードしますが、現在は2ランクアップもあり、100ドル相当のオリジナル特典も提供されます。両カードにゴールドカードも加えたプレミアム系カードのホルダーに対しては、名店の食事を配送・テイクアウトできる「おうち de KIWAMI」というサービスも始めました。もともと、センチュリオンとプラチナホルダーには、予約の取りにくい名店を貸し切り特別メニューを提供する「日本の極み KIWAMI50(旧Fine Dining)」を実施していましたが、現状では外出を控える人も多く、こうした取り組みを始めたのでしょう。
ーーープレムアム系クレジットカードでは、新型コロナの影響を受けたホルダーや加盟店をサポートする施策が充実。次回も引き続き、カード会社の施策を取り上げよう。