ポイ探の菊地崇仁氏が、エンリッチ読者のライフスタイルにマッチするクレジットカード、あるいはポイントサービスの付加価値を見出す本連載。今回は、大手ホテルチェーンによる招待制のプレミアムカード について取り上げる。(1/3から読む)−−−
新会員制度へのリニューアルに伴い
提携プラチナカードを発行
アパホテルといえば、688ホテル10万5388室(建築・設計中、海外、FC、パートナーホテルを含む)を展開する国内最大のホテルチェーンです。そんな同社は創業記念日の5月10日に、アパホテル新会員制度をスタートします。
同制度では宿泊実績に応じて5つの会員ステイタスが用意。ステイタスに応じた還元率が設定され、「アパ直」経由の宿泊予約でアパポイントがたまります。なお、同時にリリース予定の「アパホテル会員No付きの提携クレジットカード」を利用することで、ポイント還元率はさらにアップする仕組みです。会員ステイタスの条件と還元率は以下の通りです。
■アパホテル新会員制度 会員ステイタス(条件/アパホテル利用時のポイント還元率)
・レギュラー(初回宿泊):4%~最大7%(提携カード利用で最大9%)
・シルバー(年間2泊):6%~最大9%(提携カード利用で最大11%)
・ゴールド(年間10泊):7%~最大10%(提携カード利用で最大12%)
・エグゼクティブ(年間20泊):8%~最大11%(提携カード利用で最大14%)
・プレジデント(年間50泊/30万円以上):9%~最大12%(提携カード利用で最大15%)
プレジデントの場合、ポイント還元率は最大で15%。他では考えられない高水準を打ち出しています。たまったアパポイントは、「5000ポイントをアパホテルフロントで5000円にキャッシュバック」、「宿泊料金に充当」、「商品との交換」に使うことができ、有効期間は2年間と定められています。
また、ステイタスに応じてチェックイン・チェックアウト時間も設定でき、非会員がイン15時、アウト10時に対して、レギュラー~ゴールド会員はイン15時、アウト11時、エグゼクティブはイン14時、アウト11時、プレジデントはイン14時、アウト12時になります。加えて、エグゼクティブ/プレジデントは優先予約やキャンセル待ち優先受付などが利用できる上位会員専用のウェブサロンを用意する予定です。
一方で気になるのは、「アパホテル会員No付き提携クレジットカード」の存在です。3月下旬時点でわかっているのは、エポスカードを提携してクラシック・ゴールド・プラチナの3つのステイタスで展開するということ。既に「アパエポスVisaカード」は発行されていますが、ゴールド・プラチナが新たに発行されます。同カードを利用することでホテル利用時のポイント還元率がアップします。それぞれで入会申し込み条件・会員特典は異なりますが、最上位の「アパステイヤーズクラブカード プラチナ」は、エグゼクティブ以上の会員にインビテーションが発行される完全招待制のクレジットカードです。アパホテルズ&リゾーツで利用できる独自特典を数多くそろえると言います。カードの詳細はまだ明らかにされていませんが、詳細が分かり次第、取り上げたいと思います。
住信SBIネット銀行は、3月下旬よりデビットカードの券面を全面的にリニューアルし、ナンバーレスの新デザインに刷新しました。券面にはデビットカードの番号、有効期限、口座番号といった情報は記載されず、これらはアプリで確認します。
さらに、プラチナデビットカード(Mastercard)は、「METAL SURFACE CARD(メタルサーフェスカード)」と呼ばれる凸版印刷が開発した技術を採用しているのが特徴です。これは、プラスチックカードの表面に金属蒸着フィルムを熱転写することで金属の輝きや質感を再現するもので、非接触のコンタクトレス決済にも対応しています。
現在は、ダイナースクラブのプレミアムカード、アメリカン・エキスプレス・プラチナ・カード、ラグジュアリーカードなど、一部のプレミアム系クレジットカードではメタルカードを発行しています。とても質が高く高級感を味わえますが、券売機や精算機の故障の原因になることから使用を禁止するケースが珍しくありません。そのため、別にプラスチックカードを発行して持ち歩くことになりますが、「METAL SURFACE CARD」はプラスチックベースなので、そういったことはありません。今後、採用するカード会社は増えると思います。
−−−アパホテルの新会員制度と新クレジットカードは気になるところ。続報があれば改めてお伝えしよう。次回、今月最後はキャッシュレス関連の最新トピックをお伝えする。