ポイ探の菊地崇仁氏が、エンリッチ読者のライフスタイルにマッチするクレジットカード、あるいはポイントサービスの付加価値を見出す本連載。今月最後は、キャッシュレス関連の最新動向をお伝えする。(1/3から読む)−−−
大都市圏でVisaタッチを活用した
改札機通過の実証実験が開始
コンビニやスーパーなど、さまざまなシーンで導入が進む「コンタクトレス」(クレジットカードを使ったタッチ決済)ですが、福岡市地下鉄は今年5月から来年2月末まで、福岡空港、東比恵、博多、祇園、中洲川端、天神、呉服町(調整中)の各駅で、従来の交通系ICとVisaのタッチ決済の両方を利用できる一体型自動改札機を設置。タッチ機能付きのクレジットカード・スマートフォンでの乗車に関する実証実験を行います。
福岡地下鉄ではICカードの「はやかけん」、全国相互利用サービスで利用できるSuica、PASMOなども利用できますが、同じ改札機でVisaのタッチ決済を使えるのは日本の交通事業者で初のこと。これまで、地方で同様の実証実験を行う公共交通機関はありましたが、これだけ大きな都市で実施するのも初めてです。国内で流通している交通系ICに比べるとタッチ決済の速度は緩やかとされますが、不便なく使えると分かれば本格導入が始まり、他の都市にも広がっていくかもしれません。
いずれにしても、世界ではタッチ決済が普及していて、海外の電車ではすでに利用されています。そういったトレンドに遅れないためにも、こうした取り組みは必要なこと。個人的にも気になっていて、実際に現地に足を運びたいと思います。
最近は、「楽天生命パーク宮城」や「PayPayドーム」など、キャッシュレス化を促進する施設が増えています。支払いの効率化や非接触が主な目的ですが、今春からは東京ドームも場内のキャッシュレス化を実現しました。
同所ではドーム内の売店や弁当販売、前売り券・当日券売場、東京ドームシティ各施設、東京ドームホテルにおいて、クレジットカード決済や電子マネー、タッチ・コード決済を導入していますが、今シーズンからドーム場内は完全にキャッシュレス化。現金は利用できなくなりました。
また、事前に登録した顔画像により入場・決済できるサービス「facethru(フェイスルー)」も順次始まります。登録した顔画像と専用レーンに設置された端末のカメラで撮影した顔を照合し、間違いがないと入場を許可。店舗でも画像の照合を行ったうえで暗証番号を入力すると、登録したクレジットカードで決済が可能です。実際に利用してみたところ、マスクをしていても認証されるため、コロナ禍でもストレスなく利用できます。顔認証による入場は東京ドームが全国で初めて取り入れ、IDチェックだけではなく決済に使えるのは便利なこと。今後は他の施設でも導入されていくかもしれません。